December 2009
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子供に神秘的な恐怖を教へたい。その為に子どもが臆病になつても構はない。臆病と云ふ事は不徳ではない。のみならず場合によれば野人の勇敢よりも遥かに尊い道徳である。暗い森を見てその中にゐる毛物を退治しようと思ふ子供よりも、この暗い森の中にどんな恐いものが住んでゐるだらうと感ずる子供の方が偉い人間になる。狐の話、狸の話、四つ辻のお化、雷様の太鼓は凡て子供の心を深くし広くする大事な養ひである。(後略)
―「百鬼園日記帖」大正六年九月二十四日の八